新型コロナワクチン接種の前後で免疫がついているか知りたい方に。
「中和抗体検査」のご紹介

欧米から数ヶ月遅れて、日本でも始まった新型コロナウイルスのワクチンの接種。インフルエンザなどのワクチンと同様、新型コロナウイルスの発症を防ぎ、また、もし感染しても重症化を防ぐことが期待されています。

現在国内で使用されているファイザー製、モデルナ製のワクチンは、ワクチン接種によって「中和抗体」という抗体を体内に作ることでウイルスの働きを抑える仕組みです。
一方、一般的にワクチンの効果には個人差があり、中には抗体が出来にくい人もいるとされているため自分に効果が見込めるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

今回はウイルスの働きを抑え発症や重症化を防ぐ抗体を保有しているかを調べることができる「中和抗体検査」についてご紹介します。

そもそも抗体とは?

抗体は、私たちの体に侵入した細菌やウイルスなどを無力化したり働きを弱めたりする、免疫のはたらきの一つです。

免疫とは、私たちの体に生まれながらに備わっている機能で、病気にかかるのを防いで体を守ってくれます。日々の生活のなかで細菌やウイルスなど体に害を与えるものが体内に入ってきたとき、免疫細胞と呼ばれる特殊な細胞たちが、それらを“敵(異物)”として認識し排除しようと働きます。

免疫細胞が敵(異物)を排除する方法としては、主に、免疫細胞自身が直接攻撃する方法と、抗体という物質を作って攻撃する方法があります。抗体はウイルスにつく性質を持っていて、抗体がついたウイルスは他の細胞に侵入できなくなったり抗体の作用でウイルスを弱体化させたりします。

中和抗体とは?

体内でできる抗体にはいくつかの種類がありますが、その中でウイルスを抑制できるのは一部の抗体だけです。特に、ウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体を中和抗体といいます。

新型コロナウイルスは、その表面にスパイクタンパク質と呼ばれる突起状のトゲを持っていて、そのトゲが細胞のもつ受容体という部分に結合して細胞の中に入り込んで感染します。中和抗体は、この新型コロナウイルスのトゲ部分に先回りしてつくことで、細胞との結合をさまたげて細胞に侵入できないようにします。

ワクチン、予防接種の仕組みと役割

通常、免疫の反応は本物のウイルスや細菌などが体内に入ることで起こります。毒性を弱めて安全にした病原体(ウイルスや細菌)や毒素を前もって投与しておくことにより免疫反応を起こして、その病気にかかりにくくすることを予防接種といい、投与するものをワクチンといいます。

予防接種は自分自身の発症を予防したり重症化を防ぐ意味もありますが、感染を大流行させないように「集団免疫」を成立させることも重要な目的です。

新型コロナウイルスワクチンの仕組み

現在(2021年6月1日時点)国内で承認されている新型コロナウイルスのワクチンのうち、ファイザー製とモデルナ製のワクチンはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンと呼ばれる種類のものです。

実はこのmRNAワクチンは、これまでになかった新しいワクチンで、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染するために必要なスパイクタンパク質部分の設計図となる遺伝情報(mRNA)をワクチンとして投与します。

ワクチン接種により、このmRNAが細胞に取り込まれると細胞の中でスパイクタンパク質が作られ、免疫がそれに反応してスパイクタンパク抗体(中和抗体)が産生され、実際の新型コロナウイルスへの抵抗力(免疫)がつくという仕組みです。

従来の製造方法では長い時間がかかるワクチンの製造ですが、mRNAワクチンは比較的短期間で製造可能なため、新型コロナウイルスの世界的な蔓延が始まってから1年未満という期間での開発が実現されました。

このように、新型コロナウイルス感染防止に期待がかかるワクチンですが、抗体がどの程度持続するかは研究段階のためまだわかっていません。

中和抗体検査について

現在承認されているファイザー製のワクチンは、発症予防効果は95%と報告されています※1が、それでも効果には個人差があり接種後に本当に必要な抗体ができたのか気になる方もおられると思います。

「中和抗体検査」は、新型コロナウイルスの感染や重症化を防ぐ抗体が獲得できたかどうかを測定できる検査です。

【中和抗体検査はどんな時に受けると良いか】
•感染歴があり、中和抗体を保有しているか知りたい
•ワクチンを接種する前に、すでに中和抗体を保有しているかどうかを知りたい
•ワクチン接種後に、ワクチンの効果があったのかどうかを確認したい
•1回目のワクチン接種で副反応が強く出たため、1回目で中和抗体ができていれば2回目の接種は避けたいと考えている方。※ワクチンは通常2回の接種が推奨されています。

【検査をお受けいただくタイミング】

ワクチン接種後1週間程度経ってから(ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています※2

※中和抗体を保有していても、抗体量や体調によって新型コロナウイルスに感染する可能性はあります。
※どれくらいの中和抗体が新型コロナウイルスの発症防止に十分であるかはまだわかっていません。
※中和抗体検査は新型コロナウイルスを検出する検査(PCR検査や抗原検査)ではありません。現在、新型コロナウイルスに感染している状態かどうかはわかりません。

中和抗体検査をお受けいただける施設一覧・費用

東京各施設での検査は現在準備中となります。検査が開始され次第、本ページにてお知らせいたします。

検査実施施設 アクセス お問合せ先
【要事前予約】
名古屋駅直結 徒歩約1分 052-551-1169

よくあるご質問

2021年7月1日時点の情報です

検査結果が陽性だったのですが、どうしたらいいでしょうか?
過去の新型コロナウイルスの自然感染またはワクチン接種により抗体を獲得している可能性が高いと考えられますが、必ずしも発症を防ぐものではありません。引き続き感染予防を行ってください。
検査結果が陽性だったのですが、今後抗体値が低下していく可能性もあるのでしょうか?
可能性としてはあります。当会の結果証明書では、検査結果の陰性・陽性に加え、測定値(IgG定量値)を記載していますので、期間を空けて再度検査することで、測定値の経過を見ることも可能です。
検査結果が陰性だったのですが、どうしたらいいでしょうか?
ワクチン未接種であれば、過去に新型コロナウイルスにかかっていない、あるいはかかっていても十分に抗体が産生されなかったと考えられます。
ワクチン接種後であれば、通常接種後1ヶ月程度で抗体値は上昇しますが、何らかの理由で抗体が十分に産生されなかった可能性があります。
抗体が陽性で免疫を獲得していれば、もう新型コロナウイルスにはかからないのでしょうか?
一般に抗体が陽性で免疫を獲得している状態では、再感染や重症化のリスクは低いと考えられます。しかし、新型コロナウイルスの経過についてはまだ明らかでない部分も多く、一度感染した方が再度感染する可能性も報告されています。

【参考文献】
※1 ※2厚生労働省ホームページ ファイザー社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html