甲状腺の病気やその検査について

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甲状腺は何のため?

甲状腺とは、のどぼとけの下に位置する臓器で、気管を包み込むように蝶が羽を広げたような形をしています(女性のほうが男性より大きい)。甲状腺は、甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンをつくり出し、血液の流れに乗って全身を駆けめぐります。
その役割は、私たちの身体に「元気の源」を届けること。全身の新陳代謝を促したり、脳や心臓などの働きを活性化させたりするなど、生きる活力を供給しています。脈拍、体温、自律神経の働きなどを調節するのも甲状腺ホルモンの大切な仕事です。

甲状腺ホルモンの分泌量は、脳の下垂体という部位から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調整されています。そのため、血液中に含まれる甲状腺ホルモンの濃度が低下すると、下垂体からTSHが分泌されてホルモンの濃度を上げるように「指示」されます。
逆に濃度が高くなりすぎれば、TSHの分泌を抑えて濃度を下げます。大切なのは、甲状腺ホルモンの濃度が常に一定に保たれること。私たちが毎日元気に動き続けるためには、甲状腺ホルモンの安定が欠かせないということです。

では、甲状腺ホルモンのバランスが乱れると何が起きるのか?全身にだるさや疲れやすさなどを感じるようになります。また、甲状腺ホルモンの分泌量が多すぎる場合、少なすぎる場合で、それぞれ異なる症状が現れ始めます。

甲状腺ホルモンが過剰になる状態を「甲状腺機能亢進症」といい、その代表的な病気が「バセドウ病」です。甲状腺ホルモンの分泌量が多くなりすぎると、代謝が必要以上に活発化するため、脈拍が速くなって胸がドキドキしたり発汗量が増えたりします。エネルギー消費量が高まり、たくさん食べているのに体重が減ってきます。

反対に、甲状腺ホルモンの分泌量が低下すると、代謝が停滞することから寒がりになったり、顔や身体がむくんだりしてきます。肌が乾燥したり、髪が抜けやすくなったりするのも分泌量低下の影響です。こちらは「甲状腺機能低下症」といい、その原因として最も多いのが「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。どちらも男性より女性のほうが患者数が多く、バセドウ病の男女比は1:3~5、橋本病の男女比は1:20~30程度といわれています。

甲状腺の病気を調べる検査

バセドウ病や橋本病など甲状腺機能の異常が関係する病気は、漠然とした体調不良(不定愁訴)とカン違いされることがよくあります。また、40代後半の女性の場合は、「更年期症状による不調かも?」と患者さん自身が判断して、医療機関での受診が遅れるケースも少なくありません。「最近、なんだか疲れやすくなったなぁ」と感じている人は、症状を軽視しないで、一度、耳鼻科や内分泌内科(代謝内科)の受診をおすすめいたします。

検査の方法は大きく2つ。一つは、採血(血液検査)により甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値を調べるものです。数値に異常が見られたら、その原因を探るべく甲状腺に対する自己抗体(自身の細胞や組織を攻撃する抗体)の有無を調べます。

もう一つは、超音波(エコー)検査により甲状腺の大きさや状態をみて、炎症や腫瘍がないかを確認するものです。どちらの検査も、身体への負担は少なく短時間で行えます。各種人間ドックや健康診断のオプションとして追加することも可能です。なお、甲状腺の病気は適切な治療により改善するものがほとんどなので、必要以上におそれなくても大丈夫です。

検査可能施設

<東京>

施設名アクセス
進興クリニック大崎駅直結 徒歩約2分
進興クリニック アネックス大崎駅 徒歩約2分
オーバルコート健診クリニック・大崎駅 徒歩約5分
・五反田駅 徒歩約9分
セラヴィ新橋クリニック・新橋駅 徒歩約9分
・御成門駅 徒歩約6分
・内幸町駅 徒歩約5分
・虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約9分
浜町公園クリニック浜町駅 徒歩約2分
立川北口健診館立川駅 徒歩約5分
東京ダイヤビルクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分
浜松町ハマサイトクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分

<名古屋>

施設名アクセス
ミッドタウンクリニック名駅名古屋駅直結 徒歩約1分

<仙台>

施設名アクセス
せんだい総合健診クリニック・あおば通駅 徒歩約6分
・仙台駅 徒歩約8分

監修

森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

イラスト
©koike amiigo

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