50代から増え始める「沈黙のがん」

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初期は症状が現れない肝臓がん

肝臓がん(肝がん)は肝臓の細胞ががん化したもので、肝細胞がんとも呼ばれます。わが国で毎年新たに肝臓がんと診断される人は、約3万8,000人。そのうち、男性は約2万6,000人、女性は約1万2,000人です。統計上男性に多いがんといえますが、年齢的に増加し始めるのは男女とも50代から。以降、年齢とともに肝臓がんに罹患する人の割合は上がっていきます[※]。

肝臓がんで多いのが、慢性肝炎が肝硬変に進行して肝臓がんを合併するという流れです。慢性肝炎の症状は、だるい、疲れやすい、食欲がわかないなど。これらはほかの病気でも共通するため、早期に慢性肝炎と診断されるのは難しいのが現状です。しかし肝硬変に進行すると、一転、分かりやすい症状が現れます。手のひらに赤い斑点ができる、からだが黄色くなる(黄疸)、むくみが出る、おなかに水がたまって膨れるなど。すぐさま消化器内科を受診しましょう。

ところが、初期の肝臓がんになると、これまた症状がほとんどみられません。進行するとお腹のしこりや圧迫感、腹痛、発熱などが現れますが、その時点では治癒の見込みが大きく下がってしまうため、やはり他のがんと同様に早期発見が重要ながんといえます。

肝炎ウイルス以外が原因の肝臓がんが増加

肝臓がんの多くは、ある意味では原因がはっきりしています。肝臓がんに至る肝炎や肝硬変は、「肝炎ウイルスへの感染」が原因となるためです。ということは、肝炎ウイルスの感染の有無を調べれば肝臓がんを予防できるのでは?

そのとおり! 肝炎ウイルス検査は肝臓がんに対する有効な予防策の一つです。各自治体が委託する医療機関などでは肝炎ウイルス検査(HCV抗体、HBs抗原)を無料で受けられるため、まだの人は早めに検査しておきましょう。検査の結果、感染が判明しても心配いりません。肝炎ウイルスへの感染には、すでに有効な治療法が確立されています。

一方、近年増加傾向にあるのが肝炎ウイルスへの感染をともなわない肝臓がんです。主な原因は、脂肪肝やアルコール性肝炎といわれています。脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓にたまった状態のこと。原因は過度の飲酒や高カロリーの食事、運動不足などといわれています。

脂肪肝は放っておくと肝炎を発症し、肝硬変に進行して肝臓がんを合併することが少なくありません。飲み過ぎ、食べ過ぎ、運動不足の人は、生活習慣の改善が必須です。

もちろん、肝臓がん自体の可能性を調べる検査もあります。上腹部マルチスライスCT検査や腹部超音波検査、腫瘍マーカー検査(PIVKA-Ⅱ、AFP)など、肝臓がんに関する検査はいずれも各種健康診断、人間ドックのオプション検査として受けられます。50代を過ぎたら、ぜひ積極的な受診をご検討ください。

出典
※ 国立がん研究センターがん情報サービス がん種別統計情報(肝臓))

検査可能施設

<東京>

施設名アクセス
進興クリニック大崎駅直結 徒歩約2分
進興クリニック アネックス大崎駅 徒歩約2分
オーバルコート健診クリニック・大崎駅 徒歩約5分
・五反田駅 徒歩約9分
セラヴィ新橋クリニック・新橋駅 徒歩約9分
・御成門駅 徒歩約6分
・内幸町駅 徒歩約5分
・虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約9分
浜町公園クリニック浜町駅 徒歩約2分
立川北口健診館立川駅 徒歩約5分
東京ダイヤビルクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分
浜松町ハマサイトクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分

<名古屋>

施設名アクセス
ミッドタウンクリニック名駅名古屋駅直結 徒歩約1分

<仙台>

施設名アクセス
せんだい総合健診クリニック・あおば通駅 徒歩約6分
・仙台駅 徒歩約8分

監修

森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

イラスト
©koike amiigo

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