採血(ABC検査)で分かる胃がん発症の可能性

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ピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮を調べる

ABC検査とは、「胃がんリスク層別化検査」の通称です。胃がんを発症するリスクをABCの3群に分類して判定することからそう呼ばれます。検査の方法は採血のみ。具体的には、ヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無を調べる検査(ピロリ菌検査)と、胃粘膜の萎縮(老化)を調べる検査(ペプシノゲン検査)を組み合わせることでリスクを判定していきます。

ピロリ菌検査とは、主に幼少期に感染し胃の中にすみついて胃炎を起こす細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)への感染を調べるものです。繰り返す胃炎は胃粘膜を萎縮させ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの原因となります。

一方のペプシノゲン検査は、消化液の元になる「ペプシノゲン」という物質の血中濃度を測るものです。これにより、胃粘膜の萎縮(老化)の状態が分かります。胃粘膜が萎縮していると血中のペプシノゲン量が減少しているため、その値を測ることで萎縮の程度が分かるのです。

BC群だったら、早めに除菌治療を

上記2つの検査を組み合わせ、胃がん発症のリスクは以下のA~E群で判定されます。リスクが低いと判定されるのはA群のみ。それ以外の群と判定されると、さらに詳しい検査が必要になります(E群は判定の対象外)。

 A群B群C群D群E群
(除菌群)
ピロリ菌抗体-/+
ペプシノゲン検査-/+
胃粘膜の萎縮なし軽度進んでいる高度改善傾向
胃がんのリスク除菌で胃がん発生リスクを1/3に低下
ピロリ菌除菌不要必要必要他のピロリ菌検査陽性なら必要除菌成功後なら不要

A群:健康的な胃粘膜。胃がんを発症するリスクは低い
B群:少し弱った胃粘膜。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに注意。胃がん発症のリスクあり
C群:弱った胃粘膜。胃がん発症のリスクが高い
D群:かなり弱った胃粘膜。胃がん発症のリスクがきわめて高い
E群:ピロリ菌の除菌治療を受けた人(除菌群)

ピロリ菌の感染が確認されたら、胃の状態を詳しく調べる内視鏡検査とピロリ菌の除菌治療を必ず行いましょう(B、C群)。除菌治療に成功すれば、胃がんを発症するリスクは大幅に軽減されます(3分の1程度に減る)。ただし、除菌後も内視鏡検査を定期的に受けておけば、胃がんなどの予防・早期発見・早期治療につながるため、除菌治療を契機に検査を習慣づけられるとベターです。

進興会ではすべての施設でABC検査が可能です。検査当日のお申込みもOK。気になる人は窓口でお気軽におたずねください。

検査可能施設

<東京>

施設名アクセス
進興クリニック大崎駅直結 徒歩約2分
進興クリニック アネックス大崎駅 徒歩約2分
オーバルコート健診クリニック・大崎駅 徒歩約5分
・五反田駅 徒歩約9分
セラヴィ新橋クリニック・新橋駅 徒歩約9分
・御成門駅 徒歩約6分
・内幸町駅 徒歩約5分
・虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約9分
浜町公園クリニック浜町駅 徒歩約2分
立川北口健診館立川駅 徒歩約5分
東京ダイヤビルクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分
浜松町ハマサイトクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分

<名古屋>

施設名アクセス
ミッドタウンクリニック名駅名古屋駅直結 徒歩約1分

<仙台>

施設名アクセス
せんだい総合健診クリニック・あおば通駅 徒歩約6分
・仙台駅 徒歩約8分

監修

森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

イラスト
©koike amiigo

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