血圧とは?基準値や高い・低い場合の原因、対策を解説

健康診断で必ず測る「血圧」。高すぎても低すぎても良くないとは分かっていても、その数値が体の中で何を意味しているのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、血圧の基本的な仕組みから、進興会が定める基準値、そして数値が外れてしまった場合の原因や日々の対策について、分かりやすく解説します。

血圧とは


血圧とは、心臓から送り出された血液が「血管の壁を内側から押す力(圧力)」のことです。

ホースで水をまくときをイメージしてみてください。水(血液)を勢いよく押し出すと、ホース(血管)はパンパンに張りますよね。これが血圧です。
心臓がギュッと縮んで血液を全身に送り出すときの最も高い圧力を「収縮期血圧(最高血圧:Max)」、心臓がフワッと広がって、戻ってきた血液を休んで受け入れるときの最も低い圧力を「拡張期血圧(最低血圧:Min)」と呼びます。単位には「mmHg(ミリメートル・エイチジー)」を使います。

血液は、全身に酸素や栄養を届け、不要な二酸化炭素や老廃物を回収するという命に関わる大切な働きをしています。血圧がちょうど良い状態に保たれているおかげで、脳や腎臓といった大切な臓器のすみずみにまで血液が行き渡るのです。

健康診断で血圧を測るのは、次のような目的があります。

  • 動脈硬化などの心血管疾患(心臓や血管の病気)のリスク評価
  • 高血圧や低血圧の診断、および治療効果の確認
  • 生活習慣病の早期発見
  • 全身の健康状態の把握

血圧の基準値


進興会が基準としている数値の目安は、以下の通りです。

  • 最高血圧(Max):90~129 mmHg

  • 最低血圧(Min):84 mmHg 以下

血圧は、年齢とともに少しずつ高くなる傾向があります。これは、長年使ってきたホース(血管)が徐々に弾力を失い、硬くなっていく(動脈硬化)ためです。
また、女性の場合は、更年期を過ぎると血管を柔らかく保ってくれていた女性ホルモン(エストロゲン)が減ってしまうため、血圧が上がりやすくなることが知られています。

血圧はとてもデリケートで、測る前の緊張や疲れ、その日の気温(季節)などでも簡単に上下します。健康診断のときだけでなく、できればご家庭でも定期的に測って「普段の自分の血圧」を知っておくことが大切です。

血圧が高い場合


血圧が高い状態が続く「高血圧」は、大きく分けて2つのタイプがあります。

① 本態性(ほんたいせい)高血圧

原因が一つに特定できない高血圧で、高血圧の方の90%以上がこのタイプです。遺伝的な体質に加えて、塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、お酒の飲みすぎ、ストレス、加齢、喫煙などの「生活習慣や環境」が複雑に絡み合って起こります。

② 二次性高血圧

腎臓の病気やホルモンの異常、睡眠時無呼吸症候群など、血圧を上げる原因となる「別の病気」が隠れているタイプです。

高血圧の一番こわいところは、「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれるほど、初期には痛みなどの自覚症状がまったくないことです。
高い圧力がずっと血管にかかり続けると、血管はボロボロになり、やがて次のような重大な病気を引き起こす危険性が高まります。

  • 脳の病気: 脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
  • 心臓の病気: 心筋梗塞、狭心症、心不全、心房細動など
  • 腎臓の病気: 慢性腎臓病など
  • 血管の病気: 大動脈解離、大動脈瘤(りゅう)など
  • 目の病気: 高血圧性網膜症など

血圧が低い場合


低血圧も原因によっていくつか種類があります。

本態性低血圧

もともとの体質によるものです。特に臓器に悪い影響はないため、困る症状がなければ治療の必要はありません。

起立性(きりつせい)低血圧

座ったり寝転んだりしている状態から「スッ」と立ち上がったときに、血圧が急に下がってめまいや立ちくらみを起こすタイプです。自律神経の乱れなどが関係しています。

二次性低血圧

心臓や内分泌系の病気、がん、お薬の副作用などが原因で起こる低血圧です。

低血圧になると、めまいや立ちくらみのほか、「朝すっきり起きられない」「体がだるくて疲れやすい」「頭痛や肩こり」「動悸や息切れ」「食欲不振や吐き気」など、日々の生活の質を下げる様々な不調が現れやすくなります。

血圧の値を改善するための対策


血圧を整えるための基本は、やはり毎日の「生活習慣の見直し」です。

高血圧の対策

何よりも大切なのが「減塩」です(1日6g未満が目標)。食事の味付けは薄味を心がけましょう。あわせて、野菜や果物、低脂肪の乳製品を積極的に摂ることで、塩分の排出を助けるカリウムやマグネシウムを補うことができます(DASH食と呼ばれます)。
また、適正体重(BMI 25未満)の維持と、禁煙は必須です。ウォーキングなどの有酸素運動を、週に合計150分以上(1日30分・週5回など)を目標に行い、十分な睡眠とストレス管理も心がけましょう。これらの生活習慣を見直しても効果が見られない場合は、お薬(降圧薬)の力を借りることもあります。

低血圧の対策

高血圧とは逆に、脱水を防ぐために「水分と適度な塩分」をしっかり摂ることが大切です。 食事は、血糖値の急激な変化を防ぐために「1回の量を減らしてこまめに摂る」ことを意識し、適量のコーヒー(カフェイン)も一時的な血圧の維持に役立つことがあります。
また、急に立ち上がるとめまいが起きやすいため、体勢を変えるときは「ゆっくり」を意識しましょう。足を締め付ける弾性ストッキングの活用も、血液が下半身に溜まるのを防ぐのに有効です。ウォーキングなどの軽い全身運動で血の巡りを良くし、6〜8時間ほどの質の良い睡眠をとりましょう。

まとめ


血圧は、私たちの今の健康状態を教えてくれるとても大切なバロメーターです。

血圧を正常な範囲に保つことは、将来の心臓病や脳卒中といった重大なトラブルを防ぎ、長く健やかな生活を送るための第一歩になります。 まずはご自身の血圧の「普段の数値」を知ることがすべてのスタートです。健康診断でのチェックはもちろん、ご家庭でも血圧を測る習慣をつけて、日々のちょっとした生活習慣の改善から始めてみましょう。