乳房構成について
検査結果の「乳房構成」をご覧になった方へ
乳房構成の判定(高濃度乳房など)は、あくまでご自身の「乳房の体質」を表すものであり、病気ではありませんのでご安心ください。
このページは、ご自身の乳房のタイプを知り、今後の健康管理にお役立ていただくための解説ページです。

乳房構成とは
乳房は、主に乳腺と脂肪によって構成されています。
マンモグラフィで撮影をしたときに、乳腺組織は白く、脂肪組織は黒く写ります。
乳腺と脂肪の割合を「乳房の構成」として評価し、乳腺の割合が少ない順に、
①脂肪性、②乳腺散在、③不均一高濃度、④極めて高濃度の4段階に分類されます。
| 分類 | 説明 |
|---|---|
| 脂肪性 |
|
| 乳腺散在 |
|
| 不均一高濃度 |
|
| 極めて高濃度 |
|
高濃度乳房とは
「不均一高濃度」と「極めて高濃度」の2つを合わせて「高濃度乳房」と呼びます。日本人女性(特に40代)に多く見られる状態です。
ただし、マンモグラフィ検査では乳腺も病変(しこり等)も「白く」写るため、高濃度乳房の方は病変が乳腺に隠れて見えにくくなるという特徴があります。
そのためマンモグラフィで「高濃度乳房」に該当した方は、次回の人間ドックや健診の際に「乳房超音波(エコー)検査」の追加(併用)をおすすめしています。
超音波検査は、高濃度乳房の方でも病変を見つけやすいという特徴があります。ぜひ次回の受診時にご検討ください。
さらに、次回の検診までの間、ご自身でできる日々の対策として有効なのが以下の「ブレスト・アウェアネス」です。
今日からできる対策「ブレスト・アウェアネス」
日頃から自分の乳房を意識し、その状態を知っておくことで、はじめて異常の出現に気が付けるようになります。
難しい「自己触診」とは異なり、ブレスト・アウェアネスは無理なく続けられる「乳房を意識する生活習慣」です。
以下の「4つのポイント」を日常に取り入れてみましょう。
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①自分の乳房の状態を知る
入浴やシャワーの時、着替えの時など、ちょっとした機会に自分の乳房を見て、触って、感じてみましょう。
入浴の際に、石鹸を付けて撫で洗いするのもおすすめです。 -
②乳房の変化に気をつける
しこりを探すというより、「いつもと変わりがないかな」という気持ちで取り組みましょう。
具体的には「乳房のしこり」「皮膚のくぼみや引きつれ」「乳頭からの分泌物」「乳頭や乳輪のびらん(ただれ)」などがないかチェックします。 -
③変化に気づいたらすぐ医師に相談する
しこりや引きつれなどの変化に気付いたら、次の検診を待つことなく医療機関を受診しましょう。
安易に自己判断せず、専門医の診察を受けることが大切です。 -
④40歳になったら、2年に1回乳がん検診を受ける
40歳以上の女性は、2年に1回、定期的に検診を受けましょう。
「異常あり」という結果を受け取った場合には必ず精密検査を受けるようにしてください。
よくあるご質問
「高濃度乳房(デンスブレスト)」とはどのような状態ですか?
乳房の中にある「乳腺(母乳を作る組織)」の割合が多く、マンモグラフィ検査の画像で乳房全体が白っぽく写る状態のことです。
乳房は主に「乳腺」と「脂肪」で構成されていますが、その割合には個人差があります。
マンモグラフィでは、乳腺は白く、脂肪は黒く写るため、乳腺が多い方は画像全体が白く濃く見えます。この状態を「高濃度乳房」と呼んでいます。
乳がんなどの病変も画像上で白く写ることが多いため、高濃度乳房の方の場合、病変が乳腺の白さに隠れてしまい、マンモグラフィだけでは見つけにくくなる傾向があります。
高濃度乳房の人は、どのくらいいるのでしょうか?
年齢によって異なりますが、40歳以上の女性の約4割が高濃度乳房にあてはまると推測されています。
特に、閉経前の40歳代の方に多く見られる傾向があります。
年齢とともに、乳房の状態は変わるのですか?
はい、変化します。一般的には、加齢とともに乳腺の量が減っていくため、年齢を重ねるにつれて高濃度乳房の割合は低くなっていきます。
ただし、急激なダイエットによる脂肪の減少をはじめ、女性ホルモン補充療法を受けている場合や、授乳の経験がない場合などは、相対的に乳腺の割合が増え、高濃度乳房になりやすい傾向があります。
高濃度乳房と言われました。将来、乳がんになりやすいのでしょうか?
高濃度乳房はあくまで乳房の構成(乳房内の乳腺と脂肪の割合)を表す言葉であり、病気ではありません。
そのため、将来必ず乳がんになるわけではありませんし、過度に心配する必要はありません。
大切なのは、定期的に乳がん検診を受診することと、日頃からご自身の乳房の変化(しこりなど)に気を配ることです。
高濃度乳房の場合、マンモグラフィでは全くがんが見つからないのですか?
高濃度乳房の場合は、他の乳房の構成(脂肪性や乳腺散在)と比べると、病変の発見が難しくなる場合がありますが、まったく見つからないというわけではありません。
検診に加え、日頃からご自身の乳房の変化に気を配る「ブレスト・アウェアネス」を組み合わせていただくことが、早期発見のための大切なポイントになります。
高濃度乳房の人は「超音波(エコー)検査」を受けた方が良いと聞きました。
高濃度乳房の方の場合、マンモグラフィの弱点を補い、病変を見つけやすくするために「乳房超音波(エコー)検査」を追加することがおすすめです。
超音波検査を併用することで、がんの発見率が向上し、中間期がん(※)が減少することが示されています。
ただし、死亡率減少効果についてはまだ結論が出ておらず、現在も研究が続けられています。
上記の特性をご理解いただいた上で、ご自身の判断で追加のオプション検査として受診をご検討ください。
※中間期がん:検診で「異常なし」と判定された後、次の定期検診までの期間(通常1.5~2年)に自覚症状などで発見されるがん。
マンモグラフィ検診で「異常なし」でしたが、最近しこりを感じます。どうすればいいですか?
検診結果に関わらず、しこりなどの違和感や自覚症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
特に高濃度乳房の方は、検診の「異常なし」を過信せず、ご自身の感覚の変化に早めに対処することが重要です。
次回の検診まで、日頃から自分でできることはありますか?
日頃からご自身の乳房の状態を知っておく「ブレスト・アウェアネス」が大切です。
月に1回程度は、入浴時やお着替えの際に、ご自身の乳房に触れて「しこりがないか」「皮膚のひきつれがないか」などをセルフチェックする習慣をつけましょう。
いつもと違う変化を感じたら、迷わず医療機関を受診してください。
「ブレスト・アウェアネス」は、「自己触診」とどう違うのですか?
「自己触診」は、異常を探したりしこりを見つけたりする「検診行為」としての意味合いが強く、手技が難しいため継続しにくいという声があります。
一方「ブレスト・アウェアネス」は、あくまで無理なく続けられる「生活習慣」です。
お風呂や着替えのついでに、自分の乳房の「普段の状態」を知っておくことで、ちょっとした変化に気づきやすくすることが目的です。