大腸内視鏡と大腸CT検査、どっちがいいの?

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女性の死亡率1位のがん
がんの部位別死亡率という統計があります。これによると、女性で最も死亡率の高いがんは大腸がんです。
男性も肺、胃につづき死亡率が3番目に高いがんは大腸がんです。他のがんと同じように、早期に発見できれば治る可能性が高まる大腸がんは、主に3つの方法で検査が行われます。

最も簡便な方法は、便に潜む血液の有無を調べる「便潜血検査」です。みなさんも毎年の健康診断で行っているメジャーな検査の一つではないでしょうか。
大腸はがんやポリープがあると便が腸内を移動する際、便と組織が擦れて便に血液が付着します。この血液を調べることで大腸がんの疑いが検知できます。

ただし、がんのなかには出血しないポリープや早期がんもあるため、便潜血検査は必ずしも万能な検査とはいえません。そこで有効になるのが、「大腸内視鏡検査」です。こちらは胃部内視鏡と同様に、内視鏡を肛門から大腸内に入れて内部を観察する検査です。
小さなポリープや早期のがんを直接確認できるため、大腸がんの早期発見にとても適した検査といえます。小さなポリープなら発見と同時に切除が可能。病変が見つかればその場で組織の採取も可能です。

内視鏡かCTか

そんな大腸内視鏡検査ですが、人によっては検査をためらわれるかもしれません。「検査の前に大量の腸管洗浄剤(下剤)を飲用する必要がある」「検査時に苦痛を伴うことがある」。大腸内視鏡検査にはこうしたデメリットがついて回るからです。

そういう方にこそおすすめしたいのが、近年登場したもう一つの大腸検査、「大腸CT検査(CTC:CTコロノグラフィ)」です。これは大腸に炭酸ガスを注入して腸管を膨らませた状態でCT撮影を行うもので、大腸内視鏡検査よりも飲用する下剤の量が少なく、体への負担も少ないのが特徴です。
CT装置が撮影する範囲は大腸だけに留まりません。腹部臓器全体(肝臓、膵臓、胆のう、腎臓、子宮、卵巣、前立腺など)を撮影できるため大腸以外の診断も一度に行えるという強みがあります。腹部の手術歴から癒着があり大腸に内視鏡が入りにくい方や、痛みの不安から内視鏡検査を受ける決心がつかない方におすすめの検査です。

大腸内視鏡検査と大腸CT検査。どちらも長短ありますので、検査を申し込まれる際はご自身の優先順位に合わせて選んでいただければと思います。ちなみに、検査前に飲用する下剤は日進月歩で改良が進んでいます。現在は以前よりも飲む量が少なくなっていたり、味も飲みやすく改良されたものが増えました。「昔、大腸内視鏡検査を受けたけれど、検査前の準備がつらかったので2度とやりたくない」。そんな方もぜひ再チャレンジをご検討ください。昔に比べれば、ずいぶんラクに受けられるようになっているはずです。

検査可能施設

<東京>

施設名アクセス
進興クリニック
※大腸内視鏡のみ
大崎駅直結 徒歩約2分
オーバルコート健診クリニック
※大腸内視鏡のみ
・大崎駅 徒歩約5分
・五反田駅 徒歩約9分
セラヴィ新橋クリニック
※大腸内視鏡のみ
・新橋駅 徒歩約9分
・御成門駅 徒歩約6分
・内幸町駅 徒歩約5分
・虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約9分
立川北口健診館
※大腸CT検査のみ
立川駅 徒歩約5分
東京ダイヤビルクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分

<名古屋>

施設名アクセス
ミッドタウンクリニック名駅名古屋駅直結 徒歩約1分

<仙台>

施設名アクセス
せんだい総合健診クリニック
※大腸CT検査のみ
・あおば通駅 徒歩約6分
・仙台駅 徒歩約8分


監修

川村 洋(東京ダイヤビルクリニック 院長)
1980年 日本大学医学部卒
日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
2004年7月 東京ダイヤビルクリニックに勤務、院長に就任

イラスト
©koike amiigo

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