メディカルストーリーズ

#03 ピロリ菌検査

 

胃がんの原因はピロリ菌にあった
ヘリコバクター・ピロリ、通称「ピロリ菌」。
名前はかわいらしいですが、これがじつに恐ろしい菌だという事実をみなさんはご存じでしょうか。

若い頃、ピロリ菌に感染すると胃の中に炎症が起きます。
その後30~40代で炎症は慢性胃炎となり、最終的には胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどに進行していきます。現在、胃がんの9割以上はピロリ菌感染が原因と言われており、医療関係者の多くはピロリ菌の一日も早い除菌を呼びかけています。

ピロリ菌に感染するのは、主に免疫機能が不完全な乳幼児期です。
戦後は不衛生な井戸水が主な感染源でした。
その後、衛生環境は少しずつ改善されましたがピロリ菌感染者が急激に減ることはありませんでした。

なぜなら、ピロリ菌に感染した大人から子供へ、食べ物を「口移し」で与えることが感染を広げていったためです。

現在、19歳以下の世代でもピロリ菌感染者は10~20%いるとみられています。
これも大半は口移しが原因です。
衛生環境が世界トップクラスの日本でも、家族にピロリ菌感染者がいれば若い世代に感染させる危険は今もあります。
ピロリ菌の有無を検査し、陽性の場合はすみやかに除菌することは、自分自身のためであると同時に、若い世代のためにもなるのです。

 

除菌は薬を飲むだけ
進興会でご用意しているピロリ菌検査は2種類あります。
「血中ピロリ抗体」と「ABC検査(胃がんリスク検査)」。
いずれも血液検査ですので、健診の際、オプションとして追加していただければ採血と同時に調べられます。
より正確を期するのであれば、これらに加えて「胃部内視鏡(胃カメラ)」を行うのが理想です。

検査の結果、陽性の場合は除菌のための薬を1日2回、7日間つづけて内服します。
これにより、およそ8割の方が除菌に成功します。
将来、胃がんになるかもしれないリスクが1回の検査と7日間の服薬で遠ざかるというのは、考えてみれば驚くべきことです。

ピロリ菌の除菌に成功すると、再感染する危険はほぼありません。
とはいえ、かつて保菌者だった自分がお子さんやお孫さんにピロリ菌をうつしていた可能性は否定できません。
自分自身の除菌が終わったら、今度はお子さんやお孫さんにも一度は検査を受けられるようお伝えいただければと思います。

 

図|年代別ピロリ感染率の年次推移(1974年~2014年)

1974年には40歳以上で約8割が感染していましたが、2014年では各年代とも減少傾向ですが、年齢が高いほど感染率が高く、40歳以降の日本人では約7割がH・ピロリ感染者です。

 

出典
国立国際医療研究センター国府台病院 病院長 上村 直実
「ヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用 による胃がん減少効果の検証について」
厚生労働省が公開するPDF資料より抜粋

監修
森山紀之(医療法人社団進興会 理事長)

イラスト
©koike amiigo

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