メディカルストーリーズ

胸部CT検査で肺がんの早期発見に?

#14 胸部CT

たばこを吸わない女性も肺がんに

がんは臓器別にさまざまな種類がありますが、このうち最も死亡率の高いがんが「肺がん」です。
男性も女性も肺がんによる死亡率は年々上昇しており、最新の調査によれば2019年に肺がんで亡くなられた方は約7万5,000人でした[※1]
特に男性はかつて死亡率トップだった胃がんを大きく引き離す勢いです。[図1]

 

図1|部位別死亡率 年次推移

 

肺がんは「ヘビースモーカーが罹りやすいがん」というイメージを持たれているかもしれません。
ところがある統計によると、実際に肺がんに罹患した患者さんのうち喫煙者の割合は男性で約55%、女性は約25%でした[※2]
逆にいえば、女性の4人に3人はまったくたばこを吸わないのに肺がんを発症したことになります。
むろん、喫煙と肺がんには多くの因果関係が指摘されていますが、同時に「たばこを吸わない人も肺がんになる可能性がある」という事実もしっかり認識しておきたいところです。

 

国立がん研究センターによると。現在の肺がん5年生存率は約30%です[※3]
ただし、ステージⅠの段階で早期発見できれば5年生存率は約80%に跳ね上がります。[図2]
早期発見が鉄則のがんですが、死亡率の高い肺がんも例外ではなく早期に発見できれば完治も夢ではありません。
それだけに重要度を増すのが定期的ながん検診。特に肺がんの罹患率が上がる60歳以上の方は、たばこをまったく吸わない方でも定期的なチェックを心がけましょう。

 

図2|肺がんの病期別5年相対生存率(2010-2011年)

病期 5年相対生存率
81.6%
46.7%
22.6%
5.2%
全体 41.4%

 

レントゲンでは見つけにくいがんを発見するには?

肺がんを含む肺全般の検査といえば、「吸って、止めて」でおなじみの胸部X線検査を思い浮かべます。
ただX線検査はその特性上、肺がん初期の非常に小さな影などを検出することは困難で、肺がんの早期発見には必ずしも有効な検査といえません。
X線検査では異常がなくても密かにがんが進行していた、というケースも存在します。
そこで注目したいのが小さな病変の発見に威力を発揮する「胸部CT検査」です。

 

胸部CT検査はX線を多角的に照射して胸部の3次元画像を構築するものです。通常のX線検査では見落としがちな小さな影なども見つけやすく、肺がんの早期発見にはとても適した検査といわれています。
特にヘビースモーカーの方は、低用量CTによる肺がん検診が死亡率の減少に有効との研究結果がいくつか報告されています。[※4]

 

ただし、胸部CTによる放射線被ばくはX線検査よりも多くなり、また検診料も高くなります。
胸部CT検査を計画的に行うなら、たとえば次のようなペースが理想でしょう。
「45歳以上で1日1箱以上の喫煙者なら毎年か2年に1回(X線検査の間に)、非喫煙者なら4年に1回」。
というわけで、たばこを吸わない女性の方、今後は4年に1度の国際的イベントがある年を「胸部CT検査の年」と覚えておくとよいかもしれません。

 

出典
※1 国立がん研究センターがん対策情報センター
※2 おしえて肺がんのコト「肺がん患者の統計」より
※3 全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告 より
※4 国立がん研究センター 東病院 低線量肺がんCT検診のお知らせ より
図1 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」より
図2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計」より

 

検査可能施設

<東京>

<仙台>

<名古屋>

 


監修

森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

 

イラスト
©koike amiigo

 

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