メディカルストーリーズ

ご存知でした?認知症前段階のMCIについて

#15 MCIスクリーニング検査


65歳以上の5人に1人が認知症の時代

認知症高齢者の数がいま急激な勢いで増えています。
2020年は約631万人と推計された認知症高齢者の人数が、5年後の2025年には約700万人にまで膨れ上がると予想されています[※1]

すなわち、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症という時代。認知症はいまや誰にとっても身近な病気の一つになりつつあるのです。

 

ご存じのように、認知症はある日突然発症するものではありません。
その前段には必ず「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれるグレーゾーンが存在します。

MCI(Mild Cognitive Impairment)とは物忘れの程度が加齢による物忘れよりもひどくなり継続的に続く状態をいいます。
そしてMCIの状態が5年ほど続くと、そのうち約半数以上の人が認知症に移行するといわれています。


 

 


いまはまだ、アルツハイマー型認知症を完治する特効薬がありません。それだけに、認知症にならないための予防策は何にも増して重要です。
MCIの段階で適切な対策を講じておけば認知症への移行阻止や進行の遅延も可能です。

ただMCIが厄介なのは、それが日常生活に支障をもたらすほど病的な状態ではないということ。ご本人もご家族も、MCIを単なる物忘れと勘違いして重要なサインを見過ごしてしまうのです。

そこで有用になるのが、認知症予防のための定期的なリスク検査「MCIスクリーニング検査」です。


 

MCIスクリーニング検査の仕組み

認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症は、アミロイドベータペプチドという物質が脳内に蓄積され神経細胞にダメージを与えると発症します。
しかし、人間の血液中にはあらかじめアミロイドベータペプチドを排除する3つのタンパク質(アポリオタンパク質、トランスサイレチン、補体タンパク質)が備わっているため、これらがアミロイドベータペプチドを排除できれば認知症の発症を抑えられます。

MCIスクリーニング検査はこの仕組みを利用して、重要な3つのタンパク質の血中濃度を調べMCIのリスクを予測するものです。

検査は採血のみ。MCIスクリーニングの結果は3種類のタンパク質の測定値をもとにA~Dの4段階でリスク判定されます。 MCIスクリーニング検査は進興会の各健診施設でも受け付けていますので、毎年の健診にオプション検査として付け加えられてもよいでしょう。

受診後は認知症にならないための「認知症予防マニュアル」をお渡ししています。 ふだんの生活で気をつけるべきポイントなどを把握して認知症になることを防いでください。

完治のための特効薬がない病気は、その徴候を早期に発見し早めに手を打つことが肝要です。
認知症の前段階であるMCIのリスク検査は、自覚症状がなくても定期的に受けておくことが最善の予防策になるでしょう。

国の推計では、2012年時点でMCIの人は約400万人いると見られていました[※2]。いまはもっと増えているかもしれません。
人生100年時代の備えとして、MCIスクリーニング検査はますます重要度を増していきそうです。

 

出典
※1 厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)より
※2 厚生労働省 認知症施策の現状について より

 

検査可能施設

<仙台>

<名古屋>

 


監修

森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

 

イラスト
©koike amiigo

 

オプション検査

午後ドック、午後健診

人間ドック

頭部MRI・MRA 頸部MRA

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