一度は受けたいアレルギー検査

無自覚、無症状のアレルギーもある

アレルギーという言葉はすっかり日常生活に溶け込みました。
アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎……これらのアレルギーを持つ人が、ご家族のなかに一人くらいはいらっしゃるのではないでしょうか。

私自身がアレルギー持ちです、という方も多いでしょう。
それもそのはず、国の推計では現在日本人の2人に1人は何らかのアレルギーを持っているとのことです[※1]。

そもそもアレルギーとは、過剰な免疫反応により身体に不快な状態をもたらすものをいいます。
なぜそのようなことが起こるのか、まだ完全には解明されていません。

しかもアレルギーには無自覚、無症状のものも多々あります。
それが大人になって突然現れるケースもしばしば。場合によっては、アナフィラキシーショックなど深刻な事態に陥ることもあるため、自分だけは大丈夫と高を括っていると足元をすくわれかねません。

自分はどのような物質に対するアレルギーを持っているのか、あらかじめ把握しておくことも大切なリスク管理の一つです。

アレルギー検査の種類は大きく2つ。スギやダニなど「吸入系アレルゲン」を検査するもの、もう一つは卵や小麦など「食物系アレルゲン」を検査するものです。

種類を絞り込んだ検査もあれば、ざっくり網をかけるように主要なアレルゲンをひと通り調べる検査もあります。進興会の各健診施設では吸入系と食物系、また2つをセットにした検査をご用意していますので、一度検査を受けられてはいかがでしょうか。

根本治療の最前線

アレルギーの原因物質「アレルゲン」の代表といえばスギとダニです。スギは主に花粉症(アレルギー性鼻炎結膜炎)となって現れ、ダニはアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎結膜炎などのアレルギー性疾患を引き起こします。

重症化すると日常生活に支障をきたすこともあるため、いまはまだ目立った症状がなくても油断は禁物。幸いスギとダニのアレルギーは、その場しのぎの対症療法ではなく根本的な体質改善を図れる治療法がすでに確立されつつあります。

そんな治療法の一つが「舌下免疫療法」。アレルギーの原因物質を体内に少しずつ吸収させアレルギー反応を長期的に弱めていく治療法です。文字どおり舌の下に治療薬を置き、薬ごとに定められた時間を保持し、吸収されることで効果を得ます。

推奨服用期間は3年以上(理想は5年)。やや長めのお付き合いになりますが、たとえばスギとヒノキの両方にアレルギー反応がある方は、スギのアレルギー反応だけでもやわらぐと毎日を相当楽に過ごせる人が多いようです。

治療名 薬物療法 舌下免疫療法 皮下免疫療法
特徴 アレルギー症状を起こす物質の働きや体の炎症を抑えて症状を和らげる治療法 スギ花粉症とダニアレルギー症状を根本的に治すことができる唯一の治療法 注射でアレルゲンを直接体内に入れる治療法
投与
治療頻度
自宅にて毎日1~2回内服 自宅にて1日1回
舌下に投与
※初回のみ医師のもとで服用
医療機関にて
月に1~2回皮下に注射
通院 都度 初期投与で副作用が出なければ
その後は月1回受診
定期的に通院
治療期間 花粉飛散前1か月からシーズン中 3年~5年 月1回の注射で3~5年
メリット 即効性がある
薬を服用するだけなので手軽
効果が出るまで10~14日ほど
根治が期待できる
1日1回自宅での服用のみ
時間的負担が小さい
注射の必要がない
根治が期待できる
毎日の薬の服用がない
デメリット 毎年の繰り返し対処療法のため、投与を中止すれば短期間で症状は元に戻る 治療期間が最低3年
5年の治療が推奨
月1~2回治療(注射)のために頻回に通院
注射での投与であるため痛みを伴う

スギやダニのアレルギーを持つ人はたくさんいますが、舌下免疫療法についてはまだあまり知られていないのが実情です。

毎年花粉症でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。進興会の各施設ではアレルギー検査は行っていても治療までは行っていない施設があります。その場合は、アレルギーの専門医へご相談をお願いいたします。

記事監修

森山 紀之

森山 紀之

医療法人社団進興会 理事長

1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

イラスト

©koike amiigo

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