火事もがんも早期発見が重要です

目次
早期発見の生存率
超高齢化社会の到来により、多くの人ががんに罹患する確率が高まっています。日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、最新の調査によると男性が65.5%、女性が50.2%[※1]。
ただし診断技術や治療技術の向上により、がんは早期に発見して治療すれば死亡率を下げられる病気になりました[※2]。がんを早期に発見できるチャンスといえば……定期的な「がん検診」の受診です。
現在、国が推奨するがん検診(対策型検診)は、肺、胃、大腸、乳房、子宮頸部の5つです。なかでも乳がんは早期発見の効果が高く、早期(Ⅰ期)に発見できた場合の5年生存率は100%です[※3]。10年後も約9割の方が元気に暮らしています。
早期発見の重要性は火事にたとえると分かりやすいかもしれません。フライパンの上で火柱が立っているうちは誰でもすぐに消火できます。では、1階部分まで火が広がった場合は? これも消火器などを使えばまだ間に合います。
ところが、火が天井裏から2階部分にまで燃え広がると……これはもうお手上げ。消防車を呼べば消火できますが、建物自体が倒壊するので再び住める状態には戻せません。がんについても同様に、早期発見・早期治療が重要です。
ご近所さんのアドバイスを真に受けない
国が推奨する5つのがん検診(対策型検診)はお近くのクリニック、病院などの医療機関で受診できます。人間ドックを実施している医療機関ならそれ以外のがん検診も充実しています。とはいえ、自分から受診する機会を設けなければ、早期発見はできません。
実はいま、最も問題視されているのは「専業主婦の健診受診率が極端に低いこと」です。会社員であれば、会社から受診勧告を受けますが、専業主婦はこのような勧告を受けないため、個々人の健康管理に対する考え方が異なり、関心の差がでやすいのかもしれません。
健保組合のがん検診は配偶者も受けられますが、その受診率は軒並み被保険者の半分以下。組合によっては2割以下まで下がるという低受診率です[※4]。
また受診の結果、再検査のお知らせがきているにもかかわらず精密検査を受けない方がいらっしゃいます。大腸がんに関しては、その可能性を調べる便潜血反応でプラスの反応が出ていても、精密検査を受けない方が全体の約30%いるというデータもあります[※5]。
あたり前ですが、再検査のお知らせがきたら専門病院で必ず精密検査を受けましょう。乳がんならマンモグラフィや超音波による検査でその可能性を細かくチェック。肺がんなら胸部CT検査でX線検査では見えなかった部分をあぶり出します。
くれぐれも、がんと宣告されることを恐れて医療機関以外の人に相談するのだけはおやめください。隣近所の知り合いに相談して「大丈夫、顔色もいいし問題ないわよ」と言われて安心する人がいます。
これが、がんの早期発見を阻む隠れた大敵。要再検査の文字を見たら、迷わず一直線に精密検査を受けることです。
進興会では通常の人間ドックや健康診断をはじめ、健保の補助を利用して配偶者の方も健康診断を受けることが可能です。是非お気軽にお問合せください。
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参考文献
- ※1:国立がん研究センターがん情報サービス, 最新がん統計
- ※2:国立がん研究センター, がん診療連携拠点病院等 院内がん登録 2016年全国集計報告書
- ※3:全国がんセンター協議会加盟施設の生存率共同調査による病期別の5年相対生存率(2009~2011年診断症例)
- ※4:特定健診調査・特定保健指導に関するアンケート調査結果(2013年度実施)
- ※5:日本対がん協会, 検診の意義と目的
記事監修
森山 紀之
医療法人社団進興会 理事長
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。
イラスト
©koike amiigo





