胃がん検査のバリウムと胃カメラの違いについて

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胃がんを早期に発見する方法
わが国のがん検診は、対策型検診と任意型検診の2つに分かれます。対策型検診とは国が推奨し自治体が主体となって行うがん検診のことで、肺、胃、大腸、乳房、子宮頸部の5つが対象です。
制度がスタートしたのは1983年のこと。当初の対象部位は2つしかなく、そのうちの一つが胃でした(もう一つは子宮頸部)。胃がんは昔から「対策」が必要ながんだったということです。

胃がんの検査については、みなさんもよくご存じでしょう。現在は胃部X線検査と胃部内視鏡の2つが胃がん検診の主流です。
また、国の指針には入っていませんが、ABC検査も胃がんを予防する大切な検査といえます。これらの検査の貢献もあり、胃がんによる死亡率は男女共に減少しています[※]。

3つの検査のうち、最も安価で簡便なのはABC検査です。これは、がんの原因となるピロリ菌に感染していないかを調べるピロリ菌抗体価検査と、胃粘膜の萎縮度を調べるペプシノゲン法を組み合わせて、胃がん発症のリスクをA・B・C・Dの4郡に分類して評価する検査です。
ただし、あくまでも胃がんの発症リスクを調べる検査であり、胃がんの有無を診断する検査ではありません。

バリウムか胃カメラか

 メリットデメリット
胃カメラ検査
(胃部内視鏡)
・食道や胃の内壁細部を観察することができ、小さな腫瘍も発見することができる・内視鏡が口から食道、胃の中を通るため異物感や痛みを伴うことが多い
バリウム検査
(胃部X線検査)
・食道や胃、十二指腸などの全体像を観察することができる・約7~8分ほどで終了する・検査中は、ゲップを我慢しなければいけない・バリウム(造影剤)を飲むことが苦手なひとには辛い検査・バリウム検査で異常が見つかると、胃カメラ検査を受ける必要がある

胃部X線検査とはいわゆる「バリウム」のことです。造影剤であるバリウムを飲み胃の中をレントゲン撮影して、胃の形状やひだの状態を確認します。撮影はさまざまな方向から何度も行われます。そのたびに動く撮影台の上で体を回転させたり、頭が上に なったり下になったりとある程度な体力を必要としますが、あれは胃の粘膜にバリウムを付着させるための必要な作業です。人によってはつらいと感じられるかもしれません。

一方、「胃カメラ」として知られる胃部内視鏡は、先端にカメラを装着した細い管を口や鼻から挿入して胃の状態を調べるもので、受診中は基本的に寝たままです。胃の中を直接観察できることから早期の胃がん発見に優れた検査といえます。胃だけでなく食道も守備範囲で、一度に多くのことが分かります。

さて、バリウムと胃カメラ。どちらがよいのかといえば、精度の上では胃カメラです。
ただし、バリウムにはバリウムなりの良さがあります。胃カメラに比べて安価に受診できること、設備を搭載した検診車を利用すれば医療施設以外の場所でも検査ができること、検査時間も胃カメラより短くすむこと、などメリットは多数。検査で何を重視するかで、選択する検査は変わってきます。

出典
がん情報サービス
日本の胃がん死亡率は減っている.それは何故か.
任意型内視鏡検診での胃がん死亡率減少効果

検査可能施設

<東京>

施設名アクセス
進興クリニック大崎駅直結 徒歩約2分
進興クリニック アネックス大崎駅 徒歩約2分
オーバルコート健診クリニック・大崎駅 徒歩約5分
・五反田駅 徒歩約9分
セラヴィ新橋クリニック・新橋駅 徒歩約9分
・御成門駅 徒歩約6分
・内幸町駅 徒歩約5分
・虎ノ門ヒルズ駅 徒歩約9分
浜町公園クリニック浜町駅 徒歩約2分
立川北口健診館立川駅 徒歩約5分
東京ダイヤビルクリニック・茅場町駅 徒歩約8分
・八丁堀駅 徒歩約8分

<名古屋>

施設名アクセス
ミッドタウンクリニック名駅名古屋駅直結 徒歩約1分

<仙台>

施設名アクセス
せんだい総合健診クリニック・あおば通駅 徒歩約6分
・仙台駅 徒歩約8分


監修

川村 洋(東京ダイヤビルクリニック 院長)
1980年 日本大学医学部卒
日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
2004年7月 東京ダイヤビルクリニックに勤務、院長に就任

イラスト
©koike amiigo

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